名古屋市東生涯学習センターで、働く障害者の「生きづらさ」「働きづらさ」を語り合う「語る会」です。

4月の議事録を以下にまとめました。

 

参加者:S、K、Y、M、B、N

 

S:仕事を探している。雇もれびの会を主宰している。ボランティアと両立できて、相乗作用ある仕事が理想だが、なかなか見つからない。塾の起業にもなかなか踏み切れない。産業カウンセラーの勉強を始めた。精神保健福祉士の勉強もいずれはしていきたい。

 

N:コンピューター関係の仕事を10年以上している。3月末で退職して4月から再スタート。ADHD、鬱、不眠。

 

B:一昨年の秋から10回以上、語る会に参加している。アスペルガーの診断を数年前に受けた。二次障害で鬱もある。社会不安障害、対人恐怖。精神の手帳3級。大手メーカーdで2年ほど勤務中。3ヶ月ごとのパート契約社員。年金却下された。職場には配慮があって、ジョブコーチもいた。人間関係が苦手で、コミュニケーション力低い。一人で黙々と働き単純作業の仕事に就いている。60歳までこのまま生きるのか不安。別のことももう少しやってみたい。

 

M:病院で清掃の仕事をしている。二年弱。これからも続けていきたい。仕事は単調で飽きるが乗り越えたい。

 

Y:以前は、B型就労継続支援へ通っていた。今は物流系。プライベートでの悩みがある。

 

K:3級、精神の手帳。事務の仕事を4年以上続けている。キャリアを積みたい。

 

 

近況

Y:ヘルニアで腰を痛めた。大学もあわなくて、退学した。読み書きが得意ではない。事務は不得手で、肉体労働が向いていると思う。腰に負荷がかかるのはしょうがないと思って物流系で働き始めた。腰や障害に配慮されてパソコン入力の仕事も任されている。

今の職場は、人間関係がいい。知的障害障害者が多い。純粋な人でいやされる。裏表がなくてメンタルがタフに見える。知的障害の人は余計なことを考えないが、自分は考えてしまう。

障害者雇用の場として恵まれている。健常者はもちろん多いが、なにかを抱えている人が多いようだ。知的障害者、既婚女性が多い職場で、部署によって割合は違うが3割程度まで障害者であることもある。グループリーダーにもなっている。軽い知的障害者が養護学校を卒業して入社している。

 

B:自分も経験があるが、物流系は気性が荒っぽい。しかし、それはさっぱりして陰湿でなくて体育会系、運動部系の感じである。

 

S:障害者雇用の場には、物販業、スーパー裏方、衣服販売業、クリーニング工場、事務、コンピューター関係がある。

 

N:コンピューター関係の仕事は技術があれば働ける。人間関係は出来なくてもOK。アスペルガー系な人が多い、会社ごとにできる、できないがある。以前の会社では、20人中4名ぐらいアスペルガーだった。ゲーム オタクでADHDの人が多い。

ADHDは、人付き合いが上手い人もいる。発達の凸凹なので、人と接するの上手い人もいる。テレビで「ハートをつなごう」とか「バリバラ」とかでよくしゃべる元気な発達障害の方がでているが、大部分の人はそうではない。孤立して無理して生きている。

 

PCの仕事は、給料もいい。一人暮らしも出来ている。運用、開発、構築、保守などの仕事やゲームから官公庁関連まで幅広い。

 

B:PC関連の仕事から工場での現場の派遣の仕事に移った人もいる。人付き合いが最大の課題になる、自分のことばかり話してしまう。一方的に話すことを矯正すればいいと言われる。

 

N:30歳ちょっと前にコンピューター業界に入った。現在キャリアは10年以上ある。

 

Y:以前、「生きるために働く」より「働くために生きる」になっているのは、良くないね、言われた。自分は今、働くために生きている、感じがする。

勤めながら、キャリアを考えたい。「気楽に生きたい」のだが、それが難しい。

 

Y:仕事の人間関係のイヤさの度合いがある。一緒にいるぐらいなら大丈夫でもペアになるとつらい。

B:挨拶しても返事をくれない人がいた。この人は有益な人にしか挨拶さえしないのか、と思っていたが、更衣室で一緒になって話してみると、悪い人じゃなかった。そういう被害妄想的な考えがある。いじめ体験をしているので悪く取ってしまう。認知のゆがみを治していきたい。まだ40歳、もう40歳、まだ若い、もういい年。という感じだ。大学のカウンセリングを受けているが、暗いネガティブなのは、急には買えられないが、自虐的にオタクのネタにしたいと思っている。

 

B:気楽に生きたいが、気楽に生きようと頑張りすぎてしまう。プラス思考も無理矢理に思考すると疲れてしまう。

 

身体障害者の話で、他人に嫌われるのは、全く怖くない。向こうが嫌っているくるのは仕方がない。相性の問題だ。と聴いて、本当にメンタル強いなあと思った。

 

S:職場にも、この語る会にも身体障害者もいて欲しい。目で見て分かる障害の人がいい。障害を「恥ずかしい」という思いを克服して行動したい。

 

身体障害者はある意味では、アスリートのようだ。

 

B:自分は若いとき、転職回数が異常に多かった。自分が強くなりたくて努力するために自分を鍛える職場を選んでいた。強くあれという気持ちが強すぎて疲れてしまった。強くなれない自分にいらだってしまう。真面目すぎると言われる。

性格は、治らない。神経質と細かい作業に向いているのは表裏一体だ。仕事の配置やマッチングこそが一番大事だ。経済的状況に影響する。

身体障害者に比べて精神障害者は、暴れたりするという悪いイメージがある。仕方ない面もあるが、事実は、健常者と統計的には変わらない。一部の目立つニュース(たとえばドイツの副操縦士など)によってイメージの悪さが増幅されている。

 

人間関係が辛くて転職すると後悔する。悪い意味で転石、苔むさずである。自分に合わせた仕事を選べばよかった。自分を変えたいと思って仕事を選んでいた。

 

M:いまの清掃の仕事は適職だと思う。掃除は気持ちがいい。だけど単調で飽きる。学生時代は建築設計の勉強をしていた。主治医に薦められて掃除の仕事を始めた。一生の仕事かどうか迷っている。もう少し単価が高い仕事をしたい。だが、マネジメントの仕事も出来る気がしない。今は、調子がいいことを大事にしたい。過去の病気は取り戻せない。子供の時はガキ大将的な性格だったが、病気をして丸く、優しい性格になった。障害や病気を受け入れて、うまくつきあうしかない。

 

B:年金を却下された。年金の審査基準が分からない。

 

S:年金は申請に強い社会保険労務士がいる。

 

M:受給するデメリットもある。それだけ、障害が軽いと思われていると理解すればいい。

 

B:親も病気で家族とも不仲で心配である

 

 

まとめ

 

K:いろんな話ができて、聴かせてもらってよかった。

 

Y:いろんなリアルな話が聞けて客観的に自分と比較できた。

 

M:みなさんも同じように不安と分かって安心した。自分だけじゃない。

 

N:久しぶりにきて共感出来て、学ぶことも多かった。有意義な時間だった。また参加したい。

 

S:今日はこの場にお集まりいただき、ありがとうございます。この活動を続けるためにも早く仕事を見つけたいと思った。本当にありがとうございます。

参加者、M、B、S、Z、T、R

 

会の紹介

雇もれびの会といって発達障害、精神障害を持っている人で働きたい人、働いている人の自助会です。今日は2時間で、最初に自己紹介、近況、途中休憩を挟んで、就労支援や就労体験について語りあいます。

最後に一言づつをまとめを言っておわります。

 

ここで話すことは個人名を伏せてブログにアップします。インターネットに掲載することで、この場に来れない方へのメッセージを送ります。ブログに載せた一部はマガジンという紙の冊子にも載せます。ブログに載せてほしくないことは最初から伏せて話すようにお願いします。または、話すときに「オフレコで」と申し出てください。

 

自己紹介

M:会に来て1年半経つ。今の病院の清掃の仕事を始めて2年が経つ。

 

B:一昨年の秋からこの会に来ている。7年ほど前に初めて発達障害と診断を受けた。二次障害の鬱で精神の手帳3級を取った。その後、鬱は回復し多。今は対人恐怖など社会不安障害(SAD)を抱えている。雇もれび以外にも自助会や勉強会にでている。コミュニケーションをちゃんと取れるようになりたい。仕事はメーカーの障害者枠。2年半ぐらい。もう少し仕事がしたいと思っている。今の仕事は子供レベルに思える。また、全く一人で孤立した職場環境も不満が出てきた。気を使ってもらっているのはわかるが、同じ境遇の人などと話せる職場や環境がほしい。

 

S:この会を最初に5年前に立ち上げた。非常勤の公務員をしていたが、メンタル不調で休職を2週間したら任期満了で退職になった。現在、塾のアルバイトをしている。別の新しいアルバイトを近々始める。不安と期待を抱えている。

 

Z:三河地方からこの会のために名古屋へ来た。最近まで大学職員とし3年間てCADで図面を引いていた。障害者の就労準備の為の相談に乗りたいと思っている。自身も薬を飲みながら働いている経験を生かしたい。

 

T:仕事を探してる。大学を卒業してから正社員とアルバイトを含めて20年ほど働いてきた。アスペルガーの診断を受けて手帳を持っている。服薬はしていない。

 

R:ケーキ屋さんで障害者の作業指導員をしている。当事者非常勤職員である。複数回入院しているが、退院すれば職場復帰できる環境でありがたく思っている。

 

 

近況

 

T:こころの元気+」という雑誌の社会保険労務士の記事がおもしろかった。障害年金の認定は「最後まであきらめないでください」というメッセージがあった。社労士は代理申請ができる点で、同伴申請しかできない精神保険福祉士とは違う。ただし、社労士は成功報酬の20%を支払う契約が多いので、高額な出費にもなる。一番は、医者のジャッジだが、県単位での地域差があることも事実のようだ。

医者によって書き方はまったくちがう。週30時間の就労は不能で、手帳が2級であれば、受給できる可能性は高いようだ。服薬で判断しているという情報もある。

 

B:アスペルガーなど発達障害には3種類あると言われている。

積極型、受動型、孤立型だ。積極型は、自分のことばかり話すタイプ。受動型は、自分からは人間関係を築けないが、他人と関係を作りたいタイプ。孤立型は、一人でいるのが、デフォルトで、周りの人はすべて風景にしか見えないタイプ。発達障害は、この傾向が飛び抜けて強いことことが特徴とされている。

自分は以前、自分のことばかり話していると言われた。今は、コミュニケーションを取るため、聴くようにしている。

 

Z:わたしは独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の「障害者職業生活指導員」の免状を受けた。https://www.jeed.or.jp/disability/employer/employer04.html

 

T:私も職業相談員をしていた。そのとき、障害者で一般就労とA,B型就労継続事業所に通う人の大きな違いは、「生活のリズム」だと気づいた。朝起きて外にでられるかどうか、が一番の分かれ目だ。

 

Z:障害者として就職活動すると、「統合失調症」へ理解や雇用実績のない企業が多いことに気づいた。統合失調症には、まず、「減薬」が必要なことが多い。医者のいいなりでは、薬漬けである。水を大量に飲んでトイレにばかり行くなどの副作用が深刻だ。自分は、副作用で脳が呼吸できていないような苦しい感覚があった。短期記憶が落ちるのも経験した。

 

T:減薬については「べてる本」に詳しい。

 

R:双極性障害では体調の波にあわせて薬を変える必要もある。

 

Z:一番いやな副作用は太ることだ。

 

S:一番役にたった訓練はなにか?

 

Z:ハローワークのやっている一般の失業者向けの訓練「基金訓練」と呼ばれていたもので、CADを再度習ったのが良かった。もともとCADをやったことはあったが、最新の知識を得て、就職に結びついた。

 

M:私は昔、建築の勉強を大学でしていたが、今のCADは分からない。だが、掃除の仕事も気に入っている。掃除でもっと給料をあげるようにがんばりたい。

 

Z:わたしは48歳で就職が決まった。CADの技術があれば、年齢に関係なく就職できる可能性がある。おすすめしたい。

 

B:わたしもパソコンを覚えたいと思っている。

 

Z:MOS(マイクソフトオフィススペシャリスト)の資格を取るのを勧めたい。自信につながる。

 

T:医者とのつきあい方がどうしているか?

 

Z:私は主治医は、薬をもらうだけでセカンドオピニオンとしてもう一人ドクターにかかっている。カウンセリングをやってくれるので、主副を逆にしようかと思っている。

 

S:転職か今の職場で昇級のどちらがいいか?

 

Z:私も同じ所属で課を移りたかったが、だめだった。隣の課は健常者しか入れないようだった。定年まで働く場所を探している。障害者の職業相談はしたい仕事だが、食べていけないので仕方ない。

 

S:雇用されたときの面接はどうだったか?

 

Z:5年ほど前に受けた障害者面接は、一般の面接とほぼ同じだった。

しかし一昨年受けた障害者面接では、障害のことについて非常に詳しく聴かれた。

「ご自身の障害について説明してください」

「入院はいつでしたか?」

「発病したのはいつで、そのきっかけは?」

などだ。

 

S:今日の参加者は、支援したい人ばかりで、支援を受ける立場の人が少ない。

 

Z:A型作業所へ取材を申す込むのはどうか?

また、地図を作ってみてもいいと思う。電話リサーチもあり得る。

人脈をひろげるべきだ。

 

T:A型作業所の中でも特にがんばっている事業所を紹介すべきだ。

 

R:学歴と統合失調症は関係あるのか?

 

S:学歴は関係ない。ちょうど学生時代に発症しやすい。また、学歴がなくて病気が重いと特に苦労する。

 

B:ジョブコーチについてマガジンにもっと書いてほしい。

 

最後にひとこと

・社労士の専門的な知識を聴きたい。

・掃除でもっと稼ぎたい。

・もっと働きたい。

・結婚はあきらめたが、仕事であきらめることはない。ガラスの天井を破るようにした

い。もっと就労移行支援などを使って転職してステップアップしたい。

・現状の仕事がいいか、転職するかで揺れている。

・実践を伴う活動を聞けて良かった。いい場所だと思う。

参加者7名。女性0名。初参加1名。

 

自己紹介

 

S:学習塾でアルバイト。仕事を探している。

B:一昨年から自助会へ来ている。アスペルガー。障碍者枠で2年以上働いている。他人との会話に慣れたい。年金は認定されなかった。

G:発達障害。会社勤めしてして、途中で障害に気づいた。アスペルガーで手帳取得。手帳取ったことを会社に説明したが、甘えるな、と言われて扱いは変わらなかった。

T:メーカー勤務時に発症。転職50回以上。今は金融機関で、3年半勤務。統合失調症の症状で、幻臭がひどい。

K:障碍者枠。4年半勤務。今の仕事を続けたい。

I:アスペルガー。障碍者雇用。30歳代で障害に気づいた。転職ばかりしていた。病院で診断を受けて、障碍者枠という的が絞れた感じがした。苦労はしたが、前には進めた。ジョブコーチの支援も受けた。

M:自助会へ来て1年半。病院の清掃の仕事が3年目。何度も辞めようと思った。

 

 

◆就労しているが仕事の負担がキツすぎる。

働く時間を減らしてみてはどうか。リフレッシュする工夫をしたらどうか。

病気を治すように薬を調整するのが一番大事だ。障碍者枠は立場が弱い。

ジョブコーチが入っても無理解な人がいる。有給が少ないし、使えない。

仕事が多くなっている。きびきびやっても多い。

だるさがあって、不安もある。仕事は休まずに出勤できている。

外見では障害は分からないのがつらい。やれるだろうと思って仕事を増やされる。

病気や障害についてうまく説明したいが、できない。

すぐ疲れしまう。波がある。仕事が急に増えると困る。イレギュラーな仕事はできない。どこからやっていいか分からない。

ジョブコーチでもその人の特性はすぐに把握できない。

病気や障害について、調子が悪いときにはちゃんと説明できるようになりたい。

 

 

◆職場で仕事の進め方の意見が合わない。

工場長に意見を言うなと言われる。アホかと言われた。100%考え方が間違ってると言われた。以前は優しかった人も、状況をみて優しくなくなった。仕事の片づけを押しつけてくる。経営陣は障害を知っているが、工場長は知らない。工場長にも伝えてほしいと思っているし、保健所も伝えた方がいいと言っている。しかし両親が反対する。

優しい後輩がいてくれて助かっている。

職場ではマメに動くところがいいといわれた。ゴミ捨てなどを進んでやっている。

 

◆恋愛事情。

あきらめることがいい。

社交的な人が多い職場では恋愛を経験しているのが当たり前だった。

自分はオタクだったので、恋愛など全くしてなかったのを冷やかされた。

女性と話せないことをからかわれた。ネクラだと思われたくなくて明るく振る舞おうとしてもすぐに本性がばれる。ネクラを神経質だが繊細だと言い換えて認めるように考えている。

 

 

◆経済状況

スマホの通信費が高い。障碍者割引を利用することができる。

給料の半分は貯金している。実家暮らしで家にもお金を入れている。

車の維持費が高い。手作りのおもちゃを買うのが、生き甲斐だ。それはへらせない。昼は外食してる。喫茶店代で一月に2万円以上使う。お金がないので休日も寝てばかりいる。GWや正月に一人旅するのが趣味。

 

◆自助会事情

中部シャロームという発達障害の会がある。

ホープという会もある。

わかばという会は一宮で活動中。

低空飛行ネットは名駅で活動。

会によって進め方や雰囲気がことなる。

雇もれびは、似たような人が集まっている印象だ。

 

◆最後にひとこと

 

夏バテしないようにしたい。

現状を維持したい。

少ない給料だがやりくりして乗り切りたい。

お金の話でマイカーを持っているのがうらやましかった。

もっとしゃべりたかった。

 

次回7月は、臨床心理士さんを囲んで語る会です。